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NTUCインカム、シンガポール初の「お天気保険」を発売 ~ 配車アプリの料金急騰を補償

NTUC_Income_-_rain_insuranceシンガポールのICMIF会員であるNTUCインカム(以下「インカム」)は、デジタル化事業部(DTO)であるデジタル・インカムを通じて、ライフスタイルにヒントを得た新保険商品「ドロップレット(Droplet)」を今週発売しました。同社によると、ドロップレットは配車アプリの料金が雨で急騰した場合に、ユーザーに補償を行うお天気保険です。シンガポールでは、年間降水日数が167日にのぼるため、ユーザーにとっては手痛い出費となります。この保険により、雨による配車アプリの料金高騰に備えることができます。

インカムの最高執行責任者(COO)でデジタル・インカムを率いるピーター・テイ(Peter Tay)氏は、次のように述べています。「保険は伝統的に金銭的損失を補償する手段として知られ、主に不確実な損失リスクを回避するために利用されています。当社は、革新的な保険ソリューションを通じて、この損失リスクの回避という保険の原則を現代のライフスタイルにおける消費者の悩みにも応用できるようなビジネス機会を模索するようになっています。降雨と料金急騰といったありふれた問題を入り口に、ドロップレットが消費者の日常生活における保険の利用のあり方や取り入れ方に働きかけられればと期待しています。」

ドロップレットは、当初は「グラブ(Grab)」などの複数のタクシー配車アプリの予約を付保対象とし、年末までに他の配車プラットフォームにもサービスを拡大する予定です。

雨の場合は乗車料金の最大60%を支払い

ドロップレットは、シンガポールで配車アプリ利用の際に乗車場所で雨が降っていれば、乗車料やキャンセル料の最大60%をユーザーに支払います。1日たった9.6シンガポールドル(SGD)の保険料で、1日に保険金請求が可能な乗車回数は無制限で、1日最大50シンガポールドルの支払いを受けることができます。

リアルタイムの天気予報に連動、コストパフォーマンスの高い変額保険料

ドロップレットの保障を受けるには、乗車予定日の前日までに申し込む必要があります。保険を購入できるウェブサイト(www.droplet.sg)にはリアルタイムの天気予報情報が掲載され、保険料の金額も降雨予想に連動して変化しているため、ユーザーは十分な情報に基づいた購入意思決定をすることができます。

つまり、同商品の保険料はいつ購入するかによって金額が変動します。保険額は降雨予報が当たる確率の高い乗車直前日に申し込めば相対的に上がり、数日前に申し込めば下がります。変額保険料であるため、ユーザーは乗車日を問わず、最適なお天気保険を計画的に契約することができます。

「ペイナウ(PayNow)」を使った保険金請求

保険の購入から保険金請求まで、オンラインでシームレスに手続きできます。被保険者は、Eメールアドレス(claims@droplet.sg)に乗車レシートを送付するだけで、簡単に保険金の電子請求ができる仕組みとなっています。

乗車レシートが送信されると、ロボティクス業務自動化(RPA)技術の活用により簡単、迅速に乗車時に乗車地点で雨が降っていたかどうか確認作業が行われます。被保険者は乗車日から7日以内に保険金請求を行うことができ、保険金は請求日から3営業日以内にキャッシュレス送金サービス「ペイナウ(PayNow)」経由で支払われます。

ユーザーの悩みに対応した保険をあらためて考える

テイCOOは次のように述べています。「近年の破壊的イノベーションにより、新たな消費者行動が生まれたが、それに伴い新たな痛点(悩みの種)もできるかもしれない。当社はこうした気付きをきっかけに、配車アプリの普及拡大に伴う消費者行動の変容や痛点を調査しました。『お天気保険』のコンセプトで消費者行動実験を行ったところ、良好な反応が得られ、市場はドロップレットのような商品を投入する準備ができていることが示されました。」(テイCOO)

「ドロップレットは『ライフスタイル保険』と定義できる分野で計り知れない潜在性を持っているだけでなく、消費者が保険をどう捉え、どう取り入れるかという点を我々が変えられるきっかけとなるという意味でも期待しています。当社は、すでにドロップレットが単なる保険商品の枠を超えて、興味深い展開ができる可能性があると予想しています。今後も、消費者のニーズに的確に対応したライフスタイル保険を市場に提案していきたいと望んでいます。当社は保険についてあらためて考え、消費者に寄り添った、面白い保険商品を再定義していきます。」(テイCOO)

インカムのデジタル化事業部は、同グループのデジタル化とイノベーションの推進と深化に本格的に取り組むべく、2016年に設置されました。インカムは今年初め、シンガポールの保険会社25社のイノベーションおよびデジタル化の取り組みを、オンライン、ソーシャルメディア、革新の3つのカテゴリーで評価したベンチマークで、総合1位となりました。

「ドロップレット」の他にも、デジタル・インカムはユーザーの悩みに対応した保険商品を提供しています。その一つ、ポータルサイトhealthinsurance.income.com.sgを通じて提供する「総合シールドプラン(IP)」は、顧客調査、意思決定、購入、給付請求までオンラインで手続きできる商品です。また、ジフィ・ジェーン(Jiffy Jane)という名のチャットボットのサービスでは、スマートフォンを使ってFacebookメッセンジャー経由で旅行保険の問い合わせや購入手続きがシームレスにできます。「スタート・シュア(Start.Sure)」は、起業したばかりのスタートアップを対象に、各社のニーズに即した従業員への保障を提供しています。

「ドロップレット」に関する詳細はこちら:http://www.droplet.sg/

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2018.10.25