協同組合運動を推進する国際協同組合同盟(ICA)の会員は、働きがいのある人間らしい労働職場を実現し、職場でのいかなる形のハラスメント(嫌がらせ)にも断固反対する取り組みへの正式なコミットメントを満場一致で承認しました。ICAは、会員がハラスメント反対への取り組み姿勢を示したことは国際社会における大きな一歩であるとしています。この「ディーセントワーク推進・反ハラスメント宣言」は、2018年10月21日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたICA総会において全会一致で承認されました。
この宣言では、国際労働機関(ILO)の「協同組合の促進勧告(2002年)」および国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年)」への賛同を強く表明し、ここでのコミットメントは「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」に示される協同組合の価値や原則に沿ったものであることも想起しています。
ICAのアリエル・グアルコ会長は、「我々は、ディーセントワークの実現は社会において不可欠であり、会員組織におけるハラスメントを一切容認しないことを、他に先駆けて正式かつ強力に表明した国際組織の一つです」と述べています。
ICAはこの宣言において、「以下のディーセントワークの基本的概念を尊重、推進し、不断の後押しをしていく」と公約しています。
・結社の自由および団体交渉権の全面的承認
・あらゆる形態の強制労働の排除
・児童労働の撲滅
・雇用およびあらゆる形態の労働における差別の撤廃
またICAは、職場における性的あるいはモラル上の嫌がらせや暴力、または脅迫や抑圧、差別を含む職権乱用行為、その他あらゆる権力の乱用を一切容認しないと約束しています。 ICAは欧州委員会(ICA・EUパートナーシップ協定「開発における協同組合-活躍する人間中心の事業体」)やILOといった国際機関との協調を重視しており、国際開発分野における信頼性の高い協力や信用を守る上で期待される厳格な倫理規範と職業行為基準を全面的に順守することを約束しています。